Web年賀状はスタンダードになりうるか?~2015年Web年賀状解析結果~

昨年に引き続き、2015年も新年のあいさつをWeb年賀状としてお送りさせていただきました。
今年も、解析結果を報告したいと思います。
2015Web年賀状の概要
- URL
- https://iwac.jp/newYear2015/
- 差出人
- iWac.jp株式会社/亀山崇
- 配布先
- 仕事関係、友人関係
- 配布方法
- 1. QRコードとURLを記載した年賀ハガキを送付
- 2. facebookの友人にダイレクトメッセージでURLと案内を送信
- 3. Lineの友人にURLと案内を送信
- 仕様
- HTML、CSS3にてコーディング
フレキシブルレイアウト(レスポンシブデザイン)にてマルチデバイスに対応(フィーチャーフォンは非対応) - 解析
- googleアナリティクスにて解析
- コンテンツの内容
- トップページに名前の入力欄と仕事、個人のボタンを配置しました。
仕事ボタンを押すと、仕事用のページへジャンプし、個人のボタンを押すと個人用のページへジャンプする構成としました。
どちらのページにも入力した名前が表示されるようにしています。
個人用ページに関しては、入力した名前によってメッセージが変わるようにしました。
※ちなみに「はらたつのり」「じゃいあんあつ」と入力すると、応援歌が表示されます。
どちらのページにも2014年の振り返りと2015年の目標、また、お楽しみコンテンツとして、漫画の名セリフ付きおみくじをつけました。
昨年は返信用のメッセージフォームをつけましたが、返信率が10%未満だったため、今年はなくしました。
2015Web年賀状解析結果
閲覧率 | 49.6% | 配布したURLに対してWeb年賀状を閲覧した割合です。 | |
直帰率 | 25.5% | 年賀状のトップから個人用ページや仕事用ページ、そのほかのiWac.jpのいずれのページにもいかずに離脱した割合です。 | |
訪問率 | 個人用 | 87.2% | 年賀状トップから、個人用、仕事用ページに訪問した割合です。合計が100%を超えているのは両ページに訪問した方がいるからです。 |
仕事用 | 17.9% | ||
離脱率 | 個人用 | 56.4% | 個人用、仕事用ページから他のページに遷移せず離脱した割合です。 |
仕事用 | 47.6% | ||
閲覧平均時間 | 個人用 | 1:41 | Web年賀状のページに滞在していた時間です。 |
仕事用 | 2:23 | ||
デバイス | デスクトップ | 34.6% | Web年賀状を閲覧したデバイスの比率です(モバイルにはタブレットも含まれます)。 |
モバイル | 65.4% |
解析結果では、仕事用ページにくらべて、個人用ページへの流入が圧倒的に多い結果となりました。
これは、facebookで案内する際に、個人用ページを閲覧するような文言を入れたたためです。今回のWeb年賀状では仕事用ページは入力した名前以外は、同じ文章が表示されるため、なるべく個人用ページへ誘導したかったという意図があり、思惑通りの結果となりました。
名前の入力は「ひらがな」限定としました。漢字の場合、「斎藤」「齋藤」「斉藤」や「渡辺」「渡部」「渡邊」などのパターンが複数あり、どの方がどの漢字なのかが把握できなかったためです。
また、トップページで名前を入力して仕事用、個人用のページへ移動した際は、入力した名前とどちらのページへ遷移したかがメールで送信されるプログラムを組み込みました。その結果、どの名前が入力されたかを把握することができました。その結果、2つの課題が浮き彫りになりました。
ひとつは、ひらがなの場合、同姓同名の振り分けができないという問題です。
今回Web年賀状の案内を出したのは300枚未満というそれほど多くない数だったので、重複した同姓同名は2名しかいませんでした。しかし、案内する数が多くなるほど、同姓同名の可能性は高まるので改善すべき点であると言えます。
もうひとつは、思った通りに入力してもらえないケースもあるということです。
例えば、名字しか入力してくれない人がいたり、友人ではニックネームで入力してくれる人もいます。ニックネームなどの入力や、読みがなが「やまざき」「やまさき」か分からなかった場合は、ある程度事前にどちらでもよいよいうな判定システムにしたのですが、それでも想定外は起こり得ました。
ビジネスとしては「ひらがな」で入力という部分もどうかな?という部分であり、今後の課題と言えます。
配信方法に課題は残るが、ビジネスにも活用可能
配信方法はfacebookのメッセージが最も開封率が高く、ハガキでは名前入力までしてくれた方はほとんどいませんでした。
年賀はがきが到着した時点で、年賀状は完結しており、次のアクションを起こす確率は非常に低いということです。これはダイレクトメールの開封率に近いものがあると言えます。
一方で、受信したURLをワンクリックするだけでアクセスできるネットメディアはWeb年賀状と親和性が高いといえます。facebook、Lineとも開封率が高く、SNSを使っての配信の方が有効です。
しかしながら、facebookはダイレクトメールの1日の配信数には上限があり、それ以上の配信を続けると、警告が出てしまいます。
Web年賀状の配信方法に関しても今後検討していく必要がありそうです。
このWeb年賀状の仕組みは、年始の挨拶に限らず、ランディングページなどビジネスの分野でも応用ができそうです。
今回のWeb年賀状でなにより良かったのは、ハガキによる年賀状よりも、受け取った方の反応が良かったことです。「おみくじ大吉でしたよ」とか、「メッセージ読みました」といった反応をメッセージでいただいたり、直接声をかけてもらえると、やはり嬉しいものです。
受け取った方からのアクションを知ることができるWeb年賀状、皆さんも来年試してみてはいかがでしょうか?