ホームページって本当に必要なの? …ってWeb制作会社がそんなこと言っていいの?
社会人って初対面の人と話をする時、たいがい「仕事」の話になりますよね。
相手――「どんなお仕事をなさっているんですか?」
私――「ホームページ作ったりしてます」
なーんて言ったりすると、自営でお仕事している方なんかは、こんなことを言ってきたりします。
「いやぁウチもねぇ、そろそろホームページつくらなくちゃって思っているんですけどね」
「うちもホームページ作ったんですけどねぇ~、自分で作ったのでなんかイマイチなんですよね~」
こうなりますと、袖振り合うも多生の縁といいますから、ご相談に乗ることはままあります(もちろん無料で)。
残念ながら、私の営業力なさもあいまって、こういう方とはあまりお仕事に発展しません。
“ホームページを作りたいと思っているけど、まだ作っていない”
“自分でホームページを作ったはいいけど、なんかイマイチ”
こういう方々はたいてい次のように思っています。
「今の時代ホームページはあるのが当然、だから作らなきゃ」
この考え、前半部分は当たりですが、後半部分は不正解です。
インターネット上で何をやりたいか?目的を考えよう
スマートフォンの普及で、家やオフィスだけでなく、どこでもインターネットに接続できる時代です。その企業やサービスの存在を知ればユーザーはWebサイトにアクセスしようとします。
もし、そこにホームページやfacebook、ブログなどネット上に何も存在しなければ、そのユーザーとはそこでおしまいです。しかし、ネット上に必要なコンテンツは必ずしもホームページである必要はありません。
ブログでもいいし、facebookでもいい、twitterでもかまいません。それどころかあなたの関わっていない、Webコンテンツだっていいのです(むしろその方がいい場合もあります)。
ホームページは今やその企業やサービスの顔とも言える大きな存在です。
しかし、あくまでもホームページは企業やサービスのためのひとつの手段であって、ホームページそのものが目的ではないのです。
これからホームページを作ろう、ホームページをリニューアルしようとお考えの方は、以下を参考にホームページの目的をもう一度整理してみてください。
会社やお店がインターネット上でやりたいこと
- ネット上で商品を販売する
- 商店として出品したいのであればホームページが必要となります。
ネット上で本格的に利益を上げようと思ったらECサイトのシステム構築(ショッピングカートや決済方法)と運営ノウハウ、集客のためのプロモーションなどが必要になります。実店舗ではない分家賃はかかりませんが、ショッピングモールへの出店料などの予算も必要ですし、サイトを運用する人手も必要となります。 - 「実店舗の補完的側面として販売したい」「儲けではなく、顧客サービスの一環として小さくやりたい」という方はホームページの機能を少し強化することによって金銭的・人員的負担を抑えることもできます。
- 趣味のものを販売したりするのであれば、ネットオークションなどを利用するとよいでしょう。
- 実在するお店にお客様を呼ぶ
- ある程度広域的に多店舗展開をしているのであれば、ホームページが必要です。
地域密着型で地元のお客様だけ、という店舗であっても、新たな新規顧客を獲得したり、リピーター獲得、客単価の向上などを考えている場合は、Webコンテンツは有力なツールとなります。ホームページ、ブログ、facebook、twitterなど複数の手段が考えられます。 - 馴染みのお客様だけで経営が成り立ち、新たな顧客獲得の必要性もなく現在の売上げで満足しているお店ならば、ホームページはもちろんネットコンテンツも必要ないでしょう。
- 会社やサービスの存在を認知する
- インターネットを活用すれば、世界中にその存在を知らしめることができます。ただし、ホームページを作っただけではダメです。検索サイトに上位表示させるSEO対策も必要ですし、リスティング広告も配信する必要があるでしょう。facebookやtwitterなどによる口コミも大きな普及効果を期待できます。
- ごく限られた業界などに認知させたい場合で、なおかつその業界のユーザーがインターネットユーザーでない場合は営業マンによる営業活動のほうがはるかに有効です。
- 会社やサービスのブランドイメージを向上、定着させる
- ホームページはもちろん、ブログやfacebook、twitterなどを複合的に活用することが重要です。ブランドイメージ向上のためには、コンテンツの質も問われます。
- 競合する会社やサービスに勝つ
- 競合する会社やサービスがWebコンテンツを持っていない場合は、ホームページなどのWebコンテンツは非常に強力なツールとなります。競合する会社やサービスがWebコンテンツを持っている場合は、少なくとも同等以上のWebコンテンツを用意する必要があります。
- ホームページは作ったけれどもコンテンツが弱い、更新していないなど、Webコンテンツで負けている場合は、せっかくのサービスも下に見られてしまいがちです。もちろん、本来のサービスが競争力をもっていることも重要です。
- キャンペーンやイベント、一時的にアピールしたい
- 狭い地域やごく限られた期間でも、Webコンテンツは力を発揮します。
ランディングページの設置と効果的なリスティング広告の配信(意外と安あがりな場合もあります)により、キャンペーンやイベントをPRすることができます。 - ただし、ターゲットが70歳以上の高齢者であるなど、インターネットユーザーでない場合はチラシのほうがはるかに強力です。
- 思いを伝える、同志や仲間を集める
- インターネットを活用すれば、世界中に情報発信でき、世界中から仲間を募ることができます。ホームページ以外にもブログやfacebook、twitterなどを複合的に活用することで相乗効果が期待できます。
ホームページとそれ以外のWebコンテンツの違いとは?
右のようにホームページ以外にもWebコンテンツの種類は沢山あります。極端な話、ホームページなんかなくたって、会社や商品、サービスをPRしたり、あなたの思いを伝えることはできるのです。
ホームページを制作会社に依頼すれば、制作予算もかかります。自分たちで運用するには手間も暇もかかります。運用を委託すればまた予算がかかります。
では、ホームページのメリットって何なのでしょうか?
「ユニークであること」
ホームページが他のWebコンテンツと違うところはこの一言に尽きます。
※ユニークという言葉には「珍しい」「変わった」という意味もありますが、IT業界では「固有な」「重複のない」といった意味で用いられます。
ホームページはドメインがユニーク
ドメインとはインターネット上の住所のようなもので、「http://~」から始まるものです。
一般的に企業や商店がホームページを作成する場合、オリジナルのドメインを取得します。
弊社であれば企業名でもあるiwac.jpがドメイン名です。
ドメイン名がユニークであるということは、その所有者(権利者)ユニークであるということです。
iwac.jpというドメインの権利をもっているのは、iWac.jp株式会社なので、http://www.iwac.jpはiWac.jp株式会社が運営の責任を持つWebサイトであるといえるのです。
たとえ、制作や運営を外注に委託していたとしても、第三者から見たら同様なので、意味は同じです。つまり誰からみても公式サイトと見られ、信用度も高いと言えます。
しかしWebコンテンツの場合は違います。
facebookのなかにオリジナルコンテンツを作ったとしても、そのコンテンツはfacebook.comの配下にあるコンテンツです。
アメブロで上位人気のブログであっても、ドメインの価値が高まるのはameblo.jpです。
極端な話ですが、facebookやサイバーエージェントがそのサービスを「や~めた」なんてことになったら、継続することはできないのです。
facebookやサイバーエージェントなどの大企業がそんな無責任なことをすることはありえませんが、「あなたのコンテンツだけ停止します」なんてことは大いにありえます。
ドメインを持っていれば、外注している制作会社がなくなったり、ホームページを置いているサーバがなくなったとしても、いくらでもリカバリは可能です。
ホームページは表現がユニーク
twitterは気軽に、かつ即時的に情報発信できるツールですが、1回に投稿できる文字数は140文字と制限があります。SNSやブログサービスは特定の誰でも簡単に作れるという反面、定型が決まっているため、その枠を飛び越えた表現ができません。
ホームページならば、写真を使おうが、動画を使おうが、どんな配色にしようがかまいません。枠に囚われない自由な表現が可能です。
(※制作会社に委託する場合、各社のサービスプランによります)
ホームページとWebサービス、何が最適かを考えよう
facebookやブログなどのwebサービスは、簡単で便利です。
拡散性にも優れており、使わない手はありません。
一方で、ホームページは制作には自分で作るには手間がかかりまし、外注するにはお金がかかります。
公的に見られる分、日々のメンテナンスも欠かせません。
しかし、上記のようにホームページでなければできないこともあります。
ただやみくもに「ホームページを作らなきゃ」ではなく、インターネット上で何をやりたいのかをもう一度考え、どのツールを使うのか、もう一度検討してみてはいかがでしょか?