iWac六歌仙

お正月の遊びの一つとして
おなじみの「かるた」
なかでも小倉百人一首は
日本の伝統文化として現在でも
多くの人に親しまれています。

もし百人一首の歌人たちが
現代を生きていたら…
百人の歌人から6人を選び、
現代風にキャラクターを
アレンジしてみました。

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プロフィールが表示されます

在原業平

ありわらのなりひら

株式会社「宮廷」の総務部長。
父は元・専務取締役、母は社長の娘というサラブレッド。「ミスター宮廷」の名を欲しいままにするスマートなイケメンであり、性格も情熱的かつ享楽的でどこか危うい雰囲気が漂う。
…とここまでのプロフィールを見ると隙のない色男に思えるがしかし友人の紀貫之の言葉を借りれば「バカワイイ系」。アメリカの首都をNYと答えて社内の忘年会で大ウケした。

カミサマだって見たことないだろうな。まるで竜田川が真っ赤なクチュールドレスを着てるようで、本当に綺麗だ。

持統天皇

じとうてんのう

国立宮廷高等学校の生徒会長。
先輩であり前生徒会長であった天武くんとは学校公認の仲良しカップルであり、彼女が生徒会長となったのも「天武くんが大好きだったこの学校を、私も盛り上げていきたい」という気持ちから。
生徒会としての活動も天武くんの方針を受け継いで、運動部・文化部双方への支援を惜しみなくおこなっている。
文芸部に所属し、オリジナルの詩や小説を執筆することが好きな文系少女。

もう夏が来たみたい。干された真っ白な半袖Yシャツが青い山にひるがえっているわ。きっと昔もそうやって夏を感じたのね。

崇徳院

すとくいん

国立宮廷大学文学部の4年生。
現在就職活動がうまくいっておらず、非常に憂鬱な日々を過ごしており、趣味の楽曲制作ばかりが捗っている。
彼の作る、世を儚んだ末の希死念慮を感じられる繊細な楽曲は、ネットで「うどんP」としてそこそこ話題になっており、もうこのままこちらを本職にしてしまうかとも検討中。
なにかとツイてない体質で、しょっちゅうツイッターで病んでる。

岩にぶつかる早瀬は飛沫をあげて二つに分かれても、また一つになる。そんな風に僕もまた君に会いたいと思うんだ。

相模

さがみ

国立宮廷大学文学部の非常勤講師。
本業は作家で、しっとりとした雰囲気の中に情念の炎がちらつく心情描写が人気。
本人もどこか危うげで退廃的な魅力を持つ大人の女性だが、それは夫の浮気や離婚などを経験した波乱万丈な人生が形成したものだろうか。
セクシーお姉さんのイメージが強い彼女だが、SNSで垣間見せる優しいお母さんの顔とのギャップに、同年代の同性からの人気も高い。

貴方のこころも、わたくしの評判も、ああ、すべてがわたくしから離れていくのね。本当、業腹よ。

清原元輔

きよはらのもとすけ

国民的ロックバンド「ナシツボ5」のギター担当。
ひょうきんで明るい性格のため老若男女問わず人気で、「お父さんにしたい芸能人ランキング」で常に上位に入る。
そんなおとぼけおじさんのイメージが強い清原だが、制作する楽曲は「エモい」の一言に尽きる。コメディからシリアス、恋の歌から詫び寂びを感じる歌までその引き出しは幅広い。
娘は人気ブロガーの清少納言。

♪2人の恋は永遠だと 2人で泣いたはずなのに 僕だけが君を忘れられなくて まいっちゃうよ Oh my lady!

和泉式部

いずみしきぶ

株式会社「宮廷」に務めるOL。
天真爛漫だが意外としたたかな性格。
しかし人妻という身にも関わらず63代目社長の三男と恋に落ち離婚、三男が死去したのちにはその弟とさらに恋に落ちるというその奔放さは、同僚の紫式部に「マジでないわ」と引かれるほど。
他にも、営業部のエリートにかぐや姫ばりの無茶ぶりをして結婚するなど、社内に数多のゴシップを流しためちゃモテ女子。

あの世への思い出になるように。せめてもう一度でいいから。あなたに会いたい、会いたいの…。

和歌 現代語訳

ちはやぶる 神代もきかず 竜田川
からくれなゐに 水くゝるとは

在原業平

神代の時代にさえこんなことは聞いたことがありません。竜田川一面に紅葉が散りしいて、流れる水を鮮やかな紅の色に染めあげるなどということは。

春すぎて 夏来にけらし 白妙の
衣ほすてふ 天の香具山

持統天皇

いつの間にか春が過ぎて夏がやってきたようですね。香具山には、あんなにたくさんの真っ白な着物が干されているのですから。

瀬を早み 岩にせかるる 滝川の
われても末に 逢はむとぞ思ふ

崇徳院

川の流れが早いので、岩にせき止められた急流が時にはふたつに分かれてもまたひとつになるように、わたし達も今はたとえ別れようとも後にはきっと結ばれるものと思っています。

うらみわび ほさぬ袖だに あるものを
恋にくちなむ 名こそをしけれ

相模

あなたの冷たさを恨み流す涙でかわくひまさえもない袖でさえ口惜いのに、この恋のためにつまらぬ噂でわたしの名が落ちてしまうのは、なんとも口惜しいことです。

ちぎりきな かたみに袖を しぼりつつ
末の松山 波こさじとは

清原元輔

かたく約束を交わしましたね。互いに涙で濡れた袖をしぼりながら、波があの末の松山を決して越すことがないように、二人の仲も決して変わることはありますまいと。

あらざらむ この世のほかの 思ひ出に
いまひとたびの あふこともがな

和泉式部

私はもうすぐ死んでしまうことでしょうが、私のあの世への思い出になるように、せめてもう一度なりともあなたにお会いしたいのです。

お正月の定番遊戯である「百人一首」。
もともとは藤原定家が撰んだ「小倉百人一首」という歌集を指すものから、現在ではそれを覚えるために江戸時代に作成された歌かるたを指すように
なりました。

風景や情景の美しさを詠んだ歌から
切ない恋の歌まで、さまざまな和歌が
撰ばれています。
2021年はそんな百人一首で遊んで、
いにしえの歌人達のこころに触れて、
雅なお正月を過ごしてみるのは
いかがでしょうか?