WindowsXPサポート終了 XPを延命・継続させるおススメしない方法

 2014年3月19日
 IT

Windows XPサポート終了はまだ早い?

2014年4月9日、マイクロソフトは最後のセキュリティパッチを更新し、Windows XPのサポートは正式に終了します。

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2014年3月現在でもWindowsXPのシェアはまだ10パーセント近くあります。これはMacOSユーザーとほぼ同数です。そんなXPのサポートを終了するのは時期尚早ではないかという声も聞こえてきますが、はたしてそうでしょうか?

Windows XPは2001年にリリースされたOSです。コンピュータの世界で10年以上も昔というのは、人間でいえば100年前といっても過言ではありません。現行のWindows8から遡ると3代前、ひいおじいいちゃんに当たるのです。

当時の一般的なPCのひとつ日立Priusの製品紹介ページがまだ残っていたのでスペックを見てみましょう。

  • CPU インテル pentiumIIIプロセッサ 1GHz
  • メモリ 128MB SDRAM
  • HDD  60GB
  • 通信  56kbpsモデム

メモリやHDDの容量など今と比べると1/10以下です。何より特筆すべきは通信装備です。56kbpsモデム……。

通信装備からみて、Windows XPは現在のような高速回線での常時接続によるインターネット通信を前提した設計思想でつくられていないということがわかります。

マイクロソフトは、Windows XPのサポートを延長し、毎月のようにセキュリティパッチを更新し続けてきました。セキュリティパッチとはいわばつぎはぎです。脆弱性の見つかった穴をとりあえずつぎはぎを被せて凌いできました。しかしそれももはや限界なのです。

Windows XPのサポート終了は遅すぎた終焉と言えるでしょう。

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「サポート終了後のWindowsXPを使うリスク!損害賠償の可能性も!?」

サポート終了後はセキュリティホールが増大、それでもXPを使う方法とは?

マイクロソフトの発表ではWindows XPがマルウェア(ウィルスなどの悪質なプログラム)に感染するリスクは10.9%、これはWindows7のおよそ10倍、Windows8の21倍にあたります。
4月9日以降はセキュリティパッチが更新されることもなくなります。Windows XPは新たな脆弱性が見つかっても、その穴は放置状態となり、マルウェアの脅威にさらされることになります。

企業によっては業務用アプリケーションがXP上でしか起動せず、それらのアプリケーションのリプレースや再開発には莫大な費用がかかり、XPを使わざるを得ないというところもあるようです。

セキュリティ対策企業各社はウィルス対策ソフトのWindowsXPサポートを数年間はサポートするようです。しかしながら、これだけでは不十分です。4月9日以降もWindows XPを使い続けるには以下のような対策をすべきです。

  • 1)4月9日の最後のセキュリティパッチ更新を行う
  • 2)通常のウィルス対策用ソフトに加え、XP延命用のセキュリティソフトを導入する
  • 3)インターネットの常時接続は避け、メールなどの通信も控える
  • 4)USBメモリなど外部媒体との接続も避ける

1に関しては言うまでもないことですが、最低限、最新のセキュリティパッチに更新します。

2については、通常のウィルス対策ソフトは、ブラックリスト型と呼ばれるもので、ブラックリストに登録されていない未知のウィルスに対しては危険性が高くなります。OSそのものがセキュリティを講じていればよいのですが、セキュリティホールのあるサポート切れのXPではそうもいきません。ホワイトリスト型のセキュリティソフトや振る舞い検知型の対策ソフトも導入しておくべきでしょう。

3、4については極力外部接触を避けるということです。Windows XPでなければ使えない業務用アプリを除いたすべてのソフトウェアは使うべきではありません。当該の業務用アプリがインターネット接続を必要としないものであるならば、PC自体をネットから切り離し、完全なスタンドアロン状態で使うべきでしょう。

いずれにしても、これらは次善の策、どうしてもXPを使わざるを得ない状況に限るということであり、Windows XPの運用をすすめる勧めものではありません。 Windows XPとともにサポート終了となるoffice2003、Internet Explore6も同様に、新しいOSへの切り替えを強く推薦します。

参考
「Windows XPを延命し、継続利用する方法」【ITトレンド】
「Windows XPサポート終了に伴うOS移行の課題」【ITトレンド】